各種文書の管理と保存【その2】

前回は書類の保存期間について解説しました。今回は、書類の保存に使うファイルについて解説します。

書類保存(保管)のためのファイル類

まずは、書類を保管するためのファイルを用意します。ファイルには、チューブ(パイプ式)ファイル、リングファイル、フラットファイルなどがあります。

①チューブファイル

  • 大量の書類を保存できる。
  • 最近では裏からでも綴じられるようになっているタイプもある。
  • 大型になるほど、書類をめくることが困難になる。
  • 大量保存するため、金具によっては開きにくくなる。また書き込みもしにくくなる。

②リングファイル

  • 中央がリングになっており、めくりやすさはピカイチ。
  • 2穴・4穴・26穴などの種類があり、ルーズリーフなどの保存も可能。
  • 金具はOタイプ(めくりやすさ)・Dタイプ取り外しやすさ)があり、用途に応じて使い分けができる。
  • リングがむき出しになるため、その付近の書類への書き込みが難点。

③バインダーファイル(Z式ファイル)

  • 書類に穴をあけずに保管することができる。
  • 少量の書類しか保管することができない。
  • 契約書などお客さまに記入いただく書類を持ち運ぶときに最適。
  • 金具が外れるとバラバラになってしまうため、順序を揃え直さないとならなくなる。

④フラットファイル

  • 価格が安く、使い勝手がいいので、一番使われているファイル。
  • カラフルタイプが豊富で色分けして保管することで見える化を発揮。
  • 中の金具が紙タイプも存在するため、そのまま廃棄することも可能となる。プラスチックタイプでも外すのが容易。

⑤クリアファイル(ポケットファイル)

  • 書類に穴をあけずに保管することができる。
  • 同種類で複数枚の書類を保管できるので、パンフレットなどお客さまへ手渡しする書類には最適。
  • ポケットが限られているため、あまり多くの書類を保管することはできない。

⑥綴じ込み表紙

  • 古くから使われている綴じるための表紙。
  • 綴じ紐の長さが続く限り、書類を綴じ込むことができる。
  • 頑丈なので、現金出納帳など毎日使う帳簿に適している。
  • 金具がないため、書類への書き込みも(分厚くしなければ)難なくできる。

年度当初のファイルの作成

上記のファイルはフラットファイルを除き、そのまま保存箱に収納することは少ないと思います。

チューブファイルなどは、暦年使用が一般的だと思います。

そういった1年中使うファイル類は、年度当初に表紙の厚紙を作成しておいて、挟み込んでおくと年度末に楽をすることができます。

背表紙の作成

チューブファイルについてはあらかじめ背表紙がついていますので、そのまま書き込んだりすることができますが、他のファイル類と同様に体裁を整えるため、ラベルシールを作成して背表紙に貼り付けます。

 

【背表紙作成の種類】

  • 背表紙用のラベルシールを購入して、ワードや専用ソフトで作成しておくと、使用「年度」を変えるだけで、毎年使えます。
  • タイトルを毎回入力しないとなりませんが、テプラシールもよく使われています。
  • 何といっても「手書き」にこだわる!! 達筆すぎるとほかの人が見つけられなくなりますが・・・。

 

【グルーピングしたいとき】

  • 色違いのものを使うことで分かりやすくなります。営業用は黄色、経理用は緑とか用途ごとに分けたり、今年度は青、次年度は赤など年度ごとに分けたりすることもできます。
  • 色の種類が少ないものについては、テプラなどの表紙の色を変えることでグループ分けをすることができます。

【タイトルの例】

 「令和●●年度 現金出納帳」 

縦書きの場合は●●は可能な限り漢数字を使います。テプラでは2桁の数字も「記号⇒数字」で解決することができます。

表紙の作成

一人で使うのであれば、背表紙だけあれば問題はないのですが、年度末の保存の際に「この書類が何年保存なのか」をいちいち調べてから箱に保存しなくてはならない作業が出てきます。

そのため、表紙にも一定の記載事項があるラベルシールを作成します。

 

【ラベルシールに必要な事項】

  • 事業年度
  • タイトル
  • 保存年数及び保存期限
  • 個人情報(顧客情報)が含まれているときは、その旨の表示

【ラベルシールの作成例】

  • 重要書類などは目立つように色枠を付けると効果的です。
  • 個人情報(顧客情報)・企業の機密情報が含まれた書類については、廃棄の際に断裁(シュレッダー)が必要となります。そのため、こちらも見分けがつくようにしておかないとなりません。