近年、我が国の人口減少に伴い、労働力の不足を補うため、また、企業の国際化などにより、外国人労働者の受け入れが活発化してきています。

 ここ旭川市やその近郊でも例外なく、韓国や中国、ネパールなどの東アジアやタイ・ベトナムなどの東南アジアの方々も増えてきています。

 留学や就職のために日本に滞在する上で必要不可欠なのが、在留資格の申請です。一般的に、目的に応じて留学ビザ・就労ビザ・結婚ビザと呼ばれるものです。

 行政書士は、外国人の方が少しでも長く日本に滞在できるようお手伝いをしています。

 なお、手続きには入管局への提出から1ヶ月程度(場合によってはそれ以上)かかりますので、有効期限までに余裕を持ったお申し込みをお願いいたします。

在留資格の取得について

 外国人の方が日本に滞在し続けるためには、在留資格の認定が必要となります。また、在留が許されると、身分証明書にもなる在留カードが手渡されます。

 在留資格は、令和元年10月現在29種類あります。就労や留学、結婚などそれぞれ目的に応じた内容となっており、それ以外の活動や就労は禁止されています。

 そのため、留学で滞在している方が日本の企業に新たに就職されるときは、留学から就労関係の資格に変更しなければなりません。

就労が不可能な在留資格

 短期滞在や留学など就労目的ではない在留資格をお持ちの外国人の方は、基本的に働くことができません。以下の要件に当てはまる方は、資格外活動許可を受けていなければ、就労は認められていません。

 

①「3カ月」以下の在留期間の決定があった人

②「文化活動」・「短期滞在」・「留学」・「研修」・「家族滞在」(就労目的で滞在している方の配偶者や子)の在留資格が決定された人

③「外交」または「公用」の在留資格が決定された人

④これらの外国人に準ずるものとして法務省令で定められた人

⑤特別永住者

⑥在留資格を有しない人

 

 なお、永住者(及びその配偶者)や日本人の配偶者などは、活動の制限なく就労することができます。

各種手続きの種類

 行政書士が扱える国際業務には、以下のものがあります。

①在留資格認定証明書交付申請

 これから来日される外国人の方が、入国前にあらかじめ審査を受けて、在留資格を認められたときに交付される証明書を受けるための申請手続きとなります。

 証明書の発行日から3カ月以内に母国の大使館で査証(ビザ)の手続と日本への上陸申請を済ませることになります。

②在留資格更新許可申請

 在留期間は、5年・3年・1年など資格の種類に応じて決められています。在留資格を変更することなく、在留期間を延長するための手続きとなります。

③在留資格変更許可申請

 すでに在留資格をもって日本に滞在している外国人の方が、現在取得している在留資格とは別の活動を行うために変更する手続きです。

 例えば、日本語学校に留学のため滞在していた外国人の方が、日本の企業に就職される場合がこれに当たります。

④在留資格取得許可申請

 出生や国籍離脱等により、上陸の手続きを経ることなく、日本に在留することとなった外国人が、引き続き日本に在留し続けるための手続です。60日以内に出国する場合は、この手続きを経る必要はありません。

⑤資格外活動許可申請

 留学をされている等、すでに在留資格を持っているが就労することが認められていない場合や現在の在留資格で認められている活動以外で報酬を受け取ることがある場合、この許可申請を行うことにより、臨時的・副業的に行うことができるようになります。

 アルバイトを行う場合は、この申請となります。原則、週28時間以内などの労働時間の制限やパチンコ店やホステスなどの風俗営業等が含まれていないことなどの活動場所の制限があります。

(下の【週28時間の定義について】を参照ください。)

⑥就労資格証明書交付申請

 現在の在留資格でできる職務内容について、会社等へ提出する証明その発行手続きを行います。同じ業種への転職のときに使用します。

⑦再入国許可申請

 現在の在留資格で、在留期間中に再入国の意思をもって、1年を超えて出国するときに必要な許可です。母国に一時帰国や旅行、短期出張などで1年以内に再入国する場合には、「みなし再入国」となりますので、この手続きは不要となります。

⑧永住許可・帰化許可申請

 母国の国籍を維持しながら日本に永住したい場合は永住許可申請、日本の国籍を得て永住をしたい場合は帰化許可申請の手続きを行います。

週28時間の定義について

 

 労働基準法では、変形労働時間制を採用していない場合、原則、日曜日が週の起算点となります。したがって、それに従うと週28時間は上のシフトでも良さそうですが、入管法によると週の起算点はなく、どの起算点から見ても週28時間を超えてはならないこととなります。

 つまり、このシフトでは28時間を超えていることとなり不法就労となってしまいます。土・日・月と連続勤務をした場合、金曜日まではあと4時間しか働くことができないのです。

 ちなみに、労基法で週40時間を超えた分については割増賃金を支払えば済むことになりますが、入管法の週28時間以内は絶対です。この時間を超えて就労させた場合は、使用者も刑罰に処せられてしまう場合がありますのでお気をつけて。