遺産分割協議

遺産分割協議とは?

 遺言がない場合、相続人同士の話し合い(協議)によって遺産分けを行っていきます。

 これは、相続が開始されてから、相続財産は相続人全員の共有名義となっているので、話し合いによって各自の持分を確定します。

 

 遺産分割協議に参加できる当事者は、以下の通りです。

 ①共同相続人

 ②相続人と同一の権利義務を有する包括受遺者

   例)「○○に相続財産の30%を遺贈する。」

 ③相続分の譲受人

   例)相続人の一人が借金のカタに相続分を持っていかれた。

 

 遺産分割協議は、必ず遺産分割協議の当事者全員が集まって行わなければなりません。

遺産分割協議の流れ

 遺産分割協議を行うにあたっては、その前提として、以下のことをしておかなければなりません。

 

⑴相続人の確定

 団塊の世代もなると、兄弟が7.8人いたりして、それでいて代襲相続が発生するとより複雑になっていきます。 また、最近は離婚率も多いため、前妻(夫)の子が出現すると、その子を無視して進めることはできません。 そこで、万が一のために、戸籍謄本などを取り寄せて調査をします。

 

⑵相続財産の調査

 被相続人の所有していた不動産や預貯金、負債に至るまで調査を行い、相続財産を確定します。 その際には、財産目録を作成します。

 

⑶相続財産の算定

 相続財産が現金だけなら問題はありませんが、不動産の評価額の調査、預貯金の凍結による確定処理、寄与分・特別受益、遺留分の算定など多岐にわたります。

 

 その後、協議案を提示して、話し合いが開始します。 何事もなく、全員が協議案に合意した場合、正式な遺産分割協議書を作成します。 その協議書に全員が署名・押印することで遺産分割協議書は完成します。

 

 協議案が不調に終わった場合は、家庭裁判所の調停または審判に発展します。

 ところで、行政書士は、争いごとを仲裁したり、訴訟を提起することは禁止されています。 あらかじめ、大体内容が決まっていて、ただ協議書を書き起こすだけという前提でご依頼ください。

 また、初めから揉めそうだとか、途中波乱が起きそうな場合は、はじめから弁護士に依頼したうがよろしいかと思います。  

遺産分割の禁止

 共同相続人の中に未成年者がいて、できれば成人してから遺産分割をしたいとか、遺産の中に所有権を争っているものがあって、今はまだ遺産分割ができないといった場合、以下の方法により、遺産分割を一定期間禁止することができます。

①被相続人の遺言

②共同相続人の話し合い(特約)

③家庭裁判所の審判