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領収書がもらえないときの経理の方法

正しい経理をするためには、請求書や領収書、預金通帳の履歴などの取引に関する証票類がなければいけません。

 

ところが、ある場面においては、どうしても領収書を入手することができないときが存在します。そのときには諦めて自腹にしなければならないかというと、必ずしもそういう訳ではありません。

 

その出費に関する情報を他の書類によって分かるようにしておくことと、領収書がもらえない理由が説明できれば、領収書がなくても経理をすることができます。

 

今回は、領収書がもらえないときの経理の方法について説明していきます。

交通機関に関する交通費の場合

JRや都市間高速バスなどは自動販売機で購入するのが一般的で、購入時に領収書のボタンを押せば領収書が発行されます。タクシーなども「領収書ください」と希望すれば、運転手さんからもらうこともできます。

 

ですが、通常のバスは、料金を支払口に投入して終わってしまうため、領収書をもらうことができません。また、基本的に先ほどのJR等の交通機関であっても、領収書ボタンを押し忘れたり、もらうことを失念してしまったときには、後悔をしてしまうこととなります。

 

例えば、夜の接待でだいぶお酒が入っていると、「領収書ください」なんてとてもじゃないけど言えない状況だったという経験はあると思います。

 

こういった場合には、2つの選択肢があります。

 

まず、普段から出張が多いときには、交通費精算書などの帳簿を作って、出張の目的・交通手段・出発地点から到着地点までの経路・金額を記入していく方法です。

 

もう一つは、その都度、交通費に関する明細を記入できる出金伝票などの単票式の証票を使用する方法です。出金伝票は、文房具店や100円ショップでも購入することができ、1冊買っておけば重宝すると思います。

この方法は、いずれも領収書がないので、正しい支出であることが他の書類で確認できるものがあれば、一緒に保管しておきます。

 

例えば、出張にかかる案内状、交通機関の料金表などです。料金表につきましては、必要となったときにすぐ取り出せるようにファイリングしておく方法が望ましいと思います。

出金伝票には、支払日支払先勘定科目経路(片道・往復の別)、交通手段目的金額などを記入します。

 

目的等については、なるべく詳細に記入した方がよいと思います。

 

なお、後で追記できないようにするため、斜線金額前の¥記号金額後ろのハイフンなどを記入します。

自動販売機で飲み物を購入した場合

自販機で接客用のお茶などの飲み物を購入したときには、出金伝票を使用します。

 

打ち合わせなら「会議費」や「接待交際費」でも構いません。

 

買い置きの場合はいりませんが、突発的に飲み物を購入したときは、打ち合わせの相手なども記入しておけばなおいいと思います。

 

冠婚葬祭による出費の場合

取引先の役員や社員等の結婚祝い、出産祝い、入院お見舞い、葬儀の香典については、領収書はありませんので、出金伝票を使用します。

 

結婚式披露宴や葬儀のお知らせなどは、コピーするなどして必ず一緒に保管します。

その他

出金伝票は、上記のほかに領収書を紛失した場合にも使うことができます。

 

ただし、これはあくまで最終手段です。あまりに出金伝票ばかり使っていると非常に怪しくなってしまうので、他の確認資料を添付するとか、不正を疑われないように節度をもって使いましょう。